ダウンドッグができない人必見!コツを掴んで痛みのないやり方を習得

伸びをしている犬

ヨガレッスンで必ずといっていいほど出てくる“ダウンドッグ”。
太陽礼拝にも含まれている、とてもメジャーなポーズのひとつです。

四つ這いからおしりを持ち上げるだけのシンプルなポーズに見えますが、苦手意識を持っている人もとても多く、実は難しいポーズ。レッスン中に「ダウンドッグで少しお休みしましょう」といわれて、衝撃を受けたことのある人も多いのではないでしょうか?「このつらいポーズのどこでお休みをするの…?」と思ったあなたにこそ、この記事を読んで欲しいのです。

ダウンドッグがつらいと感じる原因をひとつずつ取り除いて、痛みがなく気持ちがいい!と感じられるやり方を見つけていきましょう。

ダウンドッグは“背骨”を伸ばすポーズ

ダウンドッグ

“ダウンドッグ”は両手足を床につき、おしりを持ち上げて頂点にした、体全体で三角形を作るポーズです。サンスクリット語では“アド・ムカ・シュヴァナーサナ(adho mukha svanasana)”といい、日本語では“下向きの顔の犬のポーズ”といいます。

  • アド=下向き
  • ムカ=顔
  • シュヴァナ=犬
  • アーサナ=体位、ポーズ

下向きの顔の犬のポーズ、アド・ムカ・シュヴァナーサナ、どちらも長いので一般的に“ダウンドッグ”といわれることが多いです。名前の通り、犬が気持ちよく伸びをするときのように背骨をぐっと伸ばすポーズです。

しかし、ダウンドッグで背骨の伸びを最初から感じられる人はそう多くないです。太ももの裏、ふくらはぎや足首、肩の硬さなどに邪魔されて、背骨を伸ばすことができないのです。体が硬いときはどうやって背骨を伸ばしたらいいのか、具体的に見ていきましょう。

【よくあるミス①】背骨の丸まったダウンドッグ

伸ばすべき“背骨”が丸まってしまったダウンドッグ。ヨガ初心者の多くが、最初このようになってしまうと思います。ここではポーズのチェックポイントと、背骨を伸ばすための修正方法を解説していきます。

全体のフォルムが台形

台形になった下向きの犬のポーズ

あなたのダウンドッグは、◎のように三角形になっていますか?それとも×のように肩が前に出て台形になっていますか?
台形になっている人は、重心が前過ぎます。脚の付け根を引いて重心を後ろに移動しましょう。

腰が丸まっている

腰の丸まった下向きの犬のポーズ

また、×のように腰が丸まっていませんか?
腰が丸まっている人は、坐骨の向きに注意を向けてみてください。おしりの穴が床の方を向いている感じがすると思います。とても小さな調整ですが、おしりの穴をより天井に向けようとすると、腰がまっすぐに伸びてきます。

背骨を伸ばす修正方法

軽減法を使った下向きの犬のポーズ

ダウンドッグが台形になっている人、腰が丸まっている人はこの軽減法を使って背骨をまっすぐにしてみましょう。

上の写真はかかとを持ち上げて膝を少し曲げています。こうすることで太ももの裏のつっぱりを緩めることができるため、重心を後ろに移しやすくなります。

下の写真はかかとは持ち上がっていますが膝は伸びています。上の写真のやり方で背骨を伸ばすことができるようになったら、下の写真のやり方にチャレンジしてみてください。膝が伸びる分、太ももの裏やふくらはぎのつっぱりが少し強くなります。このやり方で背骨をまっすぐに保てるようになったら、徐々にかかとを床に近づけていきましょう。かかとを下ろすときに、腰が丸まらないよう注意します。

【よくあるミス②】背骨の反ったダウンドッグ

先ほどとは逆に、背骨が反ったダウンドッグのチェックポイントと、背骨を伸ばすための修正方法を解説していきます。

胸が反り過ぎている

胸を反った下向きの犬のポーズ

×のように胸が反り過ぎて床に近づいていないかチェックしてみましょう。
背骨が反り過ぎている人は、肩甲骨に注意を向けてみてください。肩甲骨が真ん中に寄っていて首の後ろを固めていませんか?伸びを作ろうとして、力み過ぎているかもしれません。

背骨を伸ばす修正方法

胸の反りすぎたダウンドッグでは、×のように肩甲骨が寄って肩と耳が近づき首が窮屈になっています。
◎のように肩甲骨を横に広げ、背中を広く保ち、肩と耳の間にスペースを作りましょう。

肩甲骨を横に広げながら手を上にあげるのは、最初難しく感じる人がとても多いです。そういう場合は立った姿勢で横から両手をバンザイにし、肩甲骨を広げながら手を上げていく練習がオススメなのでやってみてください。

背骨以外のチェックポイントと修正方法

背骨をまっすぐに伸ばせるようになったら、次は背骨以外の部分を修正していきましょう。
ポーズを作り上げていくときは、“土台”がもっとも大切です。土台とは、床に接地している面のことをいいます。家を建てるとき、土台が傾いていたらその上に建つ家も傾いてしまいますよね。ポーズも一緒で、土台が崩れているとその上がうまく整いません。
立ちポーズだと土台は足になりますが、ダウンドッグは手も足も床についているので、土台は手足両方です。

土台を整えたら、ポーズを下から順番に積み上げていきます。手→肘→肩、足→膝→太もものように、下から順に整えるのです。
土台から整えていくときに意識してほしいことは、例えば手、肘を整えてから肩を調整するときに、せっかく整えた手や肘の状態を変えてしまわないことです。ひとつずつ積み上げていくことが重要で、何かをするために先に整えた土台を崩すことはしません。

手の置き方

下向きの犬のポーズの正しい手の付き方

手首のシワをマットの前の線と平行に置き、手を大きく広げ指の付け根をマットに、両手を肩幅にします。

下向きの犬のポーズの手の付き方

上の写真のように中指を正面に向けて手を置くと、多くの人は手首のシワが逆ハの字になると思います。これは手首や肩を痛めるので修正します。
真ん中の写真のように指先が丸まって指の付け根が浮いてしまう人は、指の間を意識的に大きくパーに開いてください。
下の写真のように手と手の横幅が狭い人は、肩の真下に手首の中心があるか確認してみましょう。

肘の向き

下向きの犬のポーズの正しい肘の使い方

肘の内側のシワがどこを向いているか確認してみましょう。◎のように肘の内側のシワが向かい合わせになっていればOKですが、×のように前を向いてしまっている人は修正します。

腕の使い方

肘の過伸展

◎のように前腕(肘から手首)と上腕(肩から肘)をまっすぐに並べます。
×のように肘をロック(過伸展)してしまうと、本来働くべき腕の筋肉が働かなくなり、肘や手首への負担が大きくなります。今は平気でも、長く練習を続けるうちに少しずつ痛みが出てくることもあるので、注意してください。

過腕の筋肉が働いて、きちんと床を押している感覚があるか感じてみましょう。

肩の位置

四つ這いで肩と耳を離す

◎のように、肩と耳を離し、首を長く保ちます。
無理やり肩を遠ざける必要はありませんが、背面の筋肉をお尻の方に下げ、自然に鎖骨を横に広げます。

四つ這いの姿勢だとこの調整がしやすいので、まずは四つ這いでやってみましょう。首を長く保つ感覚がわかったら、それを変えないように膝を少しだけ持ち上げ、最後はお尻を上にあげてダウンドッグに入ります。

足と膝の向き

下向きの犬のポーズの正しい足と膝の向き

足の間を坐骨幅にし、人差し指同士を平行にします。また、膝のさらは人差し指と同じ方向にむけましょう。そうすると◎のように足幅と膝の幅が同じになります。

しかし、筋肉のアンバランスなどで膝にねじれがあると、×のように膝のさらが内側を向いたり、つま先が外向きになってしまうことが多いです。ダウンドッグは自分の足や膝がよく見えるポーズなので、人差し指と膝のさらが正面を向くように目で見て調整しましょう。

太ももの使い方

アド・ムカ・シュヴァナーサナ

脚の付け根を骨盤の方に引き込み、太ももを後ろに押します。脚の付け根を引き込むことで腰が伸び、太ももを後ろに押すことで重心が後ろになり、背骨全体が伸びます。

ダウンドッグで手や腕、肩がつらいという人は、下半身が活性化されていないことが多いです。そのため重心が前になり、腕に過剰な負荷がかかります。腕だけで体重を支えようとせずに、太ももを後ろに押して重心を移動させ、今までよりも気持ちよく背骨を伸ばしてみましょう。

すべてを調和させて気持ちよく伸びる!

すべてのピースがはまったパズル

ダウンドッグに限ったことではありませんが、ポーズは土台から整えて丁寧に積み上げ、作り上げていくものです。何百回、何千回練習したポーズであっても、パパっと覚えていることを再現するのではなくて、毎回土台からひとつずつ組み立てていきます。ひとつずつの丁寧な取り組みのすべてが調和したとき、痛みやつらさのない快適なポーズができあがります。

どのポーズにも“完成”はなく、常に“洗練”させていくもの。
難しく感じるダウンドッグも、気持ちのよい背骨の伸びが感じられるように土台から整えて丁寧に積み上げ、毎回自分のベストを更新するように取り組んでみてください。

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