ヨガクラスでのインストラクションを洗練!誘導のコツと練習方法を徹底紹介

ヨガインストラクターとして活動していく中で最初にぶつかる大きな壁のひとつは、インストラクションではないでしょうか?

覚えられない、どういう言い回しがいいのかわからない、全然できるようにならない…このような声を本当によく聞きます。

今日は私がこれまでにインストラクションのスキルを磨くためにしてきた練習方法と、指導の中で気づいてブラッシュアップしてきたポイントをまとめてご紹介するので、よかったら参考にしてください!

インストラクションとは?

インストラクションの直訳は「指示」で、レッスンにおける口頭での誘導のことを指します

アーサナ(ポーズ)に入るために手を上げる、足を開くなどの身体の誘導はもちろん、呼吸の指示、瞑想中に意識を置くポイント、シャバーサナ中など、身体の動きがないときにもインストラクションは必要です。

インストラクションの役割

アーサナを実際に見せて伝えることもできますが、視覚情報だけでなく、言葉でもそれを補足することでより伝わりやすくなります。この言葉の指示がインストラクションです。インストラクションには、以下のような役割があります。

  • 生徒を迷わせない
    明確な指示で、生徒がどう動けばいいのか迷わないように誘導します。
  • 生徒の集中を切らさない
    言葉で指示を伝えることができれば、インストラクターを見ながら動くより、生徒は内側への集中を維持しやすいです。
  • 怪我の回避
    危ないポイントを明確に伝えることで、怪我を回避することができます。

インストラクションの難しさ

インストラクションの難しさには、2種類あります。

最初にぶつかる壁は、言葉が出てこないこと。頭で考えてから言葉にするので、インストラクションに変な「間」ができてしまいます。たまに台本みたいなものを作って暗記しようとする人もいますが、この方法はあまりおすすめしません。なぜなら最適な言い回しは、時と場によって変わるからです。ヨガをしたことがない人と、上級者が同じインストラクションで動くことはできませんよね。言葉が出てこないという壁を乗り越えるには、何度も何度も実際に声を出してしゃべる反復練習が必要なのですが、なかなか大変なのでその域に達する前に辞めてしまう人も多いようです。

そして2番目にぶつかる壁は、インストラクションの洗練です。どういう言い回しがいいのかには、完成がありません。ずっと磨き続けていく必要があります。たとえば「手を上げて」と「天井に向かってまっすぐに手を上げて」というのとでは、生徒の動きの質が変わりますよね。どの言い回しが優れているかを判断するのではなく、たくさんのインストラクションの引き出しを持ちつつ、時と場に合ったものを引き出すのが、2番目の難しさだと感じます。

良いインストラクションとは?

では、良いインストラクションとはどのようなものでしょうか?私の考える良いインストラクションの3つのポイントを挙げてみます。

シンプルで迷わない

余分な装飾がなく、インストラクションを聞いた瞬間、考えなくても迷わずスッと身体が動かせるのは良いインストラクションです。生徒はインストラクターを見なくても迷わず動けるのでストレスがありません。

伝わりやすくするために比喩表現を使うこともありますが(「足の裏で床を蹴るように」など)、多用するとシンプルさが失われていくので気をつけましょう。また、現実離れした比喩(たとえばシャバーサナで「海に浮かんでいるように」など)はクラスの雰囲気作りには向いていますが、抵抗を感じる人もいるようなので、どんな表現をどのくらい使うかよく考えて使用しましょう。

間違えない、淀みない

レッスン中に頻繁に言い間違いをしたり、次のインストラクションに迷って変な間ができたりすると、生徒の集中力が切れてしまいます。適切な間で、淀みなく次の言葉が出てくるのは良いインストラクションです。

話す早さが適切

インストラクションは早すぎても遅すぎても、集中力が切れてしまいます。焦らずゆったり呼吸ができ、指示に急かされないスピード、かつ遅すぎて次の指示待ちでイライラしないスピード…というバランスの良さを追求しましょう。人によって適切と感じるスピードは違うので難しいところですが、自分で思っている以上に早口になりがちなので、少しスローダウンすることを意識するといいでしょう。

インストラクションを洗練する練習方法

インストラクションを洗練させていくために、自分がひとつひとつの動き、アーサナに入るための手順を細かくステップバイステップで理解していることがとても重要です。なぜなら、その自分の理解がそのままインストラクションになるから。

誰かが言っていた言葉、借りてきた言葉ではなく、自分の言葉を紡いでいくために私がしてきた練習方法を紹介します。

動きながら実況中継をする練習

最初は、動きながらそれを実況中継する練習がおすすめです。自分のしていることを、ただ順番に言語化してみましょう。ポイントは事実だけを言葉にするのではなく、意識を向けているポイントもすべて言葉にすること。

たとえばタダーサナ(山のポーズ)をしながら、「両足で床を均等に踏み、まっすぐに立ちます。」というのは、事実のみを言語化した状態です。意識を向けているポイントも言語化すると「両足の親指の付け根と小指付け根をできるだけ遠ざけて、足の指を開きます。足指の付け根からかかとを遠ざけ、足の裏を縦にも長くしましょう。足裏全体で床を均等に押し、土踏まずの引き上げを頭頂まで繋げるように背骨を引き上げます。」という風になります。自己実践で細かく意識を向けていればいるほど、インストラクションが溢れてきます

動かずに話す練習

自分で動きながら実況中継ができるようになってきたら、次は自分は動かずに同じようにインストラクションできるか練習してみましょう。

やってみるとよくわかりますが、動きながら実況中継するより格段に難しいです。アーサナに入っていく手順が自分の中で整理されていないと次の言葉が出てこなかったり、アーサナには入れたとしても気持ちよくなかったりします。

たとえば、ヴィラバドラーサナ2(戦士のポーズ2)に入るとき、『足を大きく横に開く→後ろ足のつま先を少し内に向ける→前足のつま先を外に向ける』という順で行なうのと、『足を大きく横に開く→前足のつま先を外に向ける→後ろ足のつま先を少し内に向ける』の順で行なうのとでは、どちらでもアーサナに入ることはできますが、快適さが違います。

自分で動きながらだとどういう順で動いているのかすぐわかりますが、自分で動かないとどういう順でいつも動いているのかわからなくなることはよくあります。ぜひ注意深く自己実践を重ね、手順を整理してから、動かずに話す練習をしてみましょう。

インストラクションの改善点を見つける方法

生徒から自分のレッスンについてフィードバックを受けることは、日常ではほぼありません。自分で改善点を見つけ、自分で修正していかなければなりません。ここではそのための方法を、いくつか紹介します。

自分のレッスンを録画して、自分で受講する

自分で動きながらインストラクションの練習をしているところ、または自分のレッスンを動画で撮影し、それを見て自分で自分のレッスンを受けてみましょう

かなりの苦行ですが、他のインストラクターのレッスンを受けるように、客観的な視点で自分のレッスンを受けてみてください。たくさんのいいところ、改善点が見つかるはずです。

自分のレッスンの録音して、自分で受講する

動画で自己添削できるようになってきたら、今度は音声だけで自分のレッスンを受講してみます。自分のレッスンなので、自分はどのポーズの説明をしているか想像しながら動けてしまいますが、はじめてこの音声を聞くかのように受講するのがポイントです。

デモンストレーション(視覚情報)なしで、純粋にインストラクションだけで迷いなく動くことができるかを体験してみます。私はこの練習をすると、自分で思っているより「ひどい」と感じることがほとんどでした。言っている意味がわからなくて動けない、間が悪い、話すのが早すぎる…など、たくさん改善点が見つかると思いますので、これも苦行ですがやられてみることを強くおすすめします!

レッスンをリードするときに、大切なこと

ここまでいろいろと書いてきましたが、最後に一番大切なことをお伝えします。

ヨガのレッスンでは、生徒がインストラクターに集中するのではなく、自分自身に集中できるのがベストです。そのために、インストラクターは黒子のように、インストラクションはBGMのようにあることを心掛けてみましょう。

自分が前に出過ぎていないか、生徒はちゃんと自分の内側に集中を保つことができそうか…そんな視点で、インストラクションを洗練させ続けていきましょう!

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