ヨガクラスのプログラム“シークエンス”の作り方を徹底解説!

シークエンスとは、ヨガクラスのプログラムのことです。ヨガインストラクターとして活動していく上で、このシークエンス作りは避けて通れませんよね。シークエンスを作るのが大好き!という人も、作るのが苦手でいつも同じようなプログラムになってしまう…という悩みを持っているインストラクターさんも多いのではないでしょうか。

この記事ではそもそもシークエンスとは何なのか?何のために必要なのか?という基本を確認してから、私がもっともベーシックだと感じている作り方をご紹介します。

そもそも『シークエンス』って何?

シークエンス(sequence)は直訳すると、順番に並べること、一連の流れなどの意味があります。つまりヨガにおけるシークエンスとはアーサナをどのような順で練習するかを決めたレッスンプログラムのことで、お料理のレシピのようなものです。

ここで大切なのは順番、一連の、という点で、アーサナのひとつひとつがブツ切りでただ並んでいるのではなく、レシピのように前後が関連し合ってひとつの流れを作るものであるということです。

シークエンスはなぜ必要なのか

先ほどシークエンスはレシピのようなものだと説明した通り、そこにはレッスンに必要なすべての材料が示されています。

たとえば野菜炒めを作るとき、どの順番で野菜をフライパンに入れるかによって仕上がりに違いが出ますよね。柔らかい葉物から入れて、最後に根菜を入れればべちゃべちゃの葉物と硬い根菜の野菜炒めが出来上がります。しかし火の通りにくい材料から順に入れていけば、どの材料もちょうどよい歯ごたえでより美味しく仕上げることができるでしょう。どちらも同じ「野菜炒め」という料理ですが、仕上がりが違います。

ヨガのシークエンスもこれと一緒で、どんな順番で練習をしても身体を動かし伸ばした爽快感で最後は「気持ちよかったな」と感じられることが多いですが、その質には差ができるのです。

レッスンをより効果的に、より生徒さんにわかりやすく伝えるためにも、シークエンスは必要です。

良いシークエンスとは?

人それぞれ感じ方は違うので、同じレッスンを受けても「気持ちよかった」という方と「なんだか集中できなかった」という方がいるのは、仕方のないことです。万人にとって良いシークエンスというのはないかもしれませんが、なるべく多くの方にとって快適に取り組めるのが良いシークエンス、という前提でお話します。

私の思う良いシークエンスとは、ストーリー性のあるものです。良いシークエンスは、面白い本に没頭するのと同じような感覚で練習に没頭することができます。立ったり座ったり、前向いたり横向いたり慌ただしくなく、集中が途切れることなくあっという間にシャバーサナまで来た…というような感覚です。

身体をゆっくりほぐし温め、易しいポーズから難しいポーズに向かい、前屈やねじりで鎮静化してからシャバーサナに向かえば、基本のストーリーが出来上がります。このストーリーの中にどんな驚きや感動を取り入れるかは、あなたのこれまでの練習と創造力次第です!

シークエンスの作り方

まずはシークエンスがどういう構成になっているのかを知りましょう。シークエンスは大きく3つのパートに分けて捉えることができます

  • ウォーミングアップ
  • メイン
  • クールダウン

いきなり60分のクラスのシークエンスを作ろうと思っても、どこから手を付けていいのかわからなくて不安になりますが、3つのパートに分けて考えるとひとつずつ手が付けられそうな気がしてきます。

それでは各パートごとの具体的な作り方を見ていきましょう。

ウォーミングアップ

warming up

ウォーミングアップではまず、冒頭に調心調息のため静かに座る時間を3~5分程度とります。静かに坐り、左右の坐骨で均等に押す、背骨をまっすぐに伸ばす、呼吸を整える、内側に意識を向けるなどに取り組みます。いわゆる日常を脇に置いて、マットの上で今この瞬間に向き合うための切り替えの時間です。

その後、立位に入る前に座位や仰臥位、膝位や四つ這いなどを使って、メインパートに向かうために必要な身体のほぐしを中心に優しい動きから始めていきます。身体の中で特に大きな関節である肩と股関節を動かしたり、背骨を全方向(屈曲・伸展・側屈・回旋)に動かしたり、首・手首・足首をほぐすなど、今までの経験や知識を活かして動きながら全身を温めていきます。

メイン

シークエンスの中で一番盛り上がる部分(強度の強い部分)です。立位を中心に、心身を活性化させるアーサナを中心に組んでいきます易しいアーサナから難しいアーサナへ向かっていきましょう。アーサナの難易度はご自身の練習の中で感じていると思いますので、その感覚を信じて組み立てます。本やネットに載っている難易度を自分の実践なしに鵜呑みにすることのないように、自分で感じたことをシークエンスに反映します。

とはいえ、自分の知っているすべてのアーサナの中からどうやって選び、どうやって順番を決めたらいいのかは難しいですよね。そこで、私がこれまでの経験の中で培ってきたアーサナのカテゴリごとの難易度をご紹介します(数字が大きくなる方が難しくなります)。必ずしもこの通りではありませんので、参考程度にとどめてください。

  1. 左右対称の立位
    例)椅子のポーズ、立位前屈のポーズなど
  2. 前屈
    例)立位の開脚前屈のポーズ、下向きの犬のポーズなど
  3. 外旋立位(マットを横向きに使う、骨盤が横を向くポーズ)
    例)戦士のポーズ2、三角のポーズなど
  4. ニュートラル立位(マットを縦向きに使う、骨盤が縦を向くポーズ)
    例)戦士のポーズ1、体側を強く伸ばすポーズなど
  5. バランス
    例)木のポーズ、ワシのポーズなど
  6. ツイスト
    例)ねじった三角のポーズ、ねじった椅子のポーズなど
  7. 後屈
    例)コブラのポーズ、らくだのポーズなど
  8. アームバランス・逆転
    例)カラスのポーズ、逆立ち、頭立ちのポーズなど

すべてのカテゴリからポーズを選ばなければならないわけでも、カテゴリごとに1つのポーズしか入れられないわけでもありません。順を追って追って身体を開き、少しずつ難しくなっていくことで集中が継続するように、取り入れるアーサナと順番を決めます

クールダウン

メインで活性化させた心身を、鎮静させていくパートです。座位や仰臥位を中心に、身体、呼吸、心を静かにしてシャバーサナへ向かいます。60分のレッスンであれば、シャバーサナは8~10分程度とりましょう。

前屈のポーズは心身を鎮静化する効果が高いですし、ねじりのポーズは背骨を中庸に戻してくれる効果があります。こういった理由で、私はクールダウンでは前屈とねじりのポーズを中心に組み立てます。

シークエンス作りは、上達する!

シークエンスはたしかにレッスンの大切な要素です。自己実践を重ねれば重ねるほど、シークエンスを作れば作るほど、引き出しが増えブラッシュアップされていきます。ぜひたくさん作り、作ったものを何度も自分でやってみてください。

良かれと思って作った流れが、やってみたら全然気持ちよくないことなんてザラです。やってみてはじめて、順番を変えた方が良いことに気づくことはしょっちゅう。頭で考えるだけでなく、必ず実践を伴いましょう

シークエンス作りは才能ではなく技術なので、練習すれば必ず上達します。ぜひシークエンスをたくさん書いてノートに残してください。私は今まで作ったシークエンスのノートをすべて残していて(十数冊になります!)、書いてある内容もさることながら、こんなにたくさんシークエンスと向き合ってきたという歴史をいつでも目で見ることができます。ときどき見返して過去の自分から刺激をもらったりもできるので、ノートに残すのはおすすめです。

シークエンスの作り方は、たくさんある!

今日は私がもっともベーシックだと感じるシークエンスの作り方を紹介しましたが、最初にお伝えしたように他にもたくさんの作り方があります。

girasole yogaではシークエンス作りに関するワークショップを開催したり、ヨガインストラクター向けのオンラインコミュニティも運営しています。ご興味があれば覗いてみてくださいね。

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